9月25日

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 戦況は一変していました
 おそらく、彼らも余裕がなかったのでしょう
 資源はいくらでもあり、何を考慮する必要もなく弾をばらまきます
 過去の戦争と違う点は、人の数が減りすぎたことでしょう
 さすがに年をとりすぎた、あるいはまだ若すぎるものは、
 戦場に投入したところで効果がないことは分かっているらしく、
 基本的には成人した人間が死地へと向かわされているようです
 私は、顔も知らない彼らを守るためにも最前線へと突入します
 しかし数と質はたった三日の間にもかなり良くなっており、
 苦戦を強いられ、結局何機かは逃してしまいます
 多くの人が、犠牲となりました
 
 合理的ではないのです
 武器が余るほどに人がいなくなりながらも、人を守るために戦うと大義を掲げる
 相手を倒さなければ自分が死ぬのだと言いながら、自分を殺す 
 結果、守るべきものは死地へと向かうことになります
 誰にも守られなくなるのですから
 煉獄のような悪循環。次々とさびしくなる世界
 あの男たちは一体、何を考えているのでしょうか

 戦闘が終わると、私は大勢の兵士に囲まれ、
 両側と背中から銃を突きつけられながら独房へと戻されました
 用が終われば閉じ込めておく、道具の使い方と同じです
 つまり私は、彼らにとって兵器にすぎないということでしょう
 
 明日あたり、行動を起こしましょう
 そう決定して、本日の行動を終了いたします


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