9月24日

BACK NEXT TOP



 どこかで見た三人組のうち、一人が私に会いに来ました
 何の意味があるのか、AK-47で武装した数人の兵士を連れだっていました
 彼は薄汚れた私をさも愉快そうに眺めた後、明日から戦争に参加するように指示しました
 破壊されたくなければ参加するようにとのことです
 私はまだ破壊されるわけにはいかないので、頷きます
 すると男は破顔し、どこまでも楽しそうに哄笑を上げながら、地下を出て行きました
 不愉快だと、判断します
 
 看守さんから話を聞きました
 彼らが、戦争について指示を出しているそうです
 つまり、今回私が前線へ行くという非効率的な作戦も、彼らの立案なのでしょう
 戦争を始めたのは、彼らなのです
 ならば、なぜ彼らは戦争に参加していないのでしょうか
 何故戦争という痛みを知ることなく生きているのでしょうか
 彼らの方針のために、バイトさんは死にました
 助手さんもいなくなりました
 多くの人たちが犠牲となりました
 彼らが求めるもののために、私にかかわるものは全て失われたのです
 
 私は成長したのでしょうか
 人は、成長しているのでしょうか
 
 私の境遇に歯がみし、しかし明日には外に出られるのです
 いくつかの案を考察し、本日の行動を終了いたします


BACK NEXT TOP


Copyright(c) 2010 YOSHITOMO UYAMA all rights reserved.