どこかで見た三人組のうち、一人が私に会いに来ました
何の意味があるのか、AK-47で武装した数人の兵士を連れだっていました
彼は薄汚れた私をさも愉快そうに眺めた後、明日から戦争に参加するように指示しました
破壊されたくなければ参加するようにとのことです
私はまだ破壊されるわけにはいかないので、頷きます
すると男は破顔し、どこまでも楽しそうに哄笑を上げながら、地下を出て行きました
不愉快だと、判断します
看守さんから話を聞きました
彼らが、戦争について指示を出しているそうです
つまり、今回私が前線へ行くという非効率的な作戦も、彼らの立案なのでしょう
戦争を始めたのは、彼らなのです
ならば、なぜ彼らは戦争に参加していないのでしょうか
何故戦争という痛みを知ることなく生きているのでしょうか
彼らの方針のために、バイトさんは死にました
助手さんもいなくなりました
多くの人たちが犠牲となりました
彼らが求めるもののために、私にかかわるものは全て失われたのです
私は成長したのでしょうか
人は、成長しているのでしょうか
私の境遇に歯がみし、しかし明日には外に出られるのです
いくつかの案を考察し、本日の行動を終了いたします
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