基地に戻りました
私は、戻ったはずでした
何もないのです
座標を幾度確認しても、そこにはただ、荒れ地が広がっているだけでした
原因を考察すれば、単純なことでした
私が犯したミスは三つだったのです
一つは相手を一機逃したこと
一つはそれを追わなかったこと
一つは、私の基準で相手の力量を測ってしまったこと
日記で私は、私たちの兵器の進化が止まっていることを指摘しました
整備士の方々は頑張っていたようですが、
間に合ったかどうか、開発を続けられたかどうかは分かりません
彼らは自分たちでそれを行ったのですから
対して、相手は私を倒すために必死でした
必死で、兵器の質を上げました
だからたった一機であろうと、十分だったのでしょう
こちらの基地を破壊するという行為には
進むことをやめて、
ましてや現場の確認も行わない私たちの勝てる相手ではなくなっていたのです
荒れ地では、十数人がブローニングM2、MP5を持って待ち受けていました
さすがに機関銃を持ち出され、包囲されれば、私も容易に行動できません
更に、危惧したことは事実になりました
冬羽が彼らに襲いかかったのです
屈強な男の一撃は、ただの黒猫には相当の衝撃になるはずです
吹き飛ばされた冬羽は、動かなくなってしまいました
結局、私はさしたる抵抗もせずに、新たな前線基地の地下独房に閉じ込められることになりました
明かりがあるので、このように、日記を書くのに支障はありません
できれば冬羽の様子を確認したいのですが、今の私には不可能でしょう
今後どうするべきかを優先処理に定め、本日の行動を終了いたします
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