9月12日

BACK NEXT TOP



 日記を書く段階になって気づいたことがあります
 それは、今日あった出来事にさほど記述が必要ないということです
 戦闘
 ただそれだけが、私の一日でした
 
 人がいないということは、それほどまでに一日に何ももたらさないということです
 かろうじて私が攻撃した相手の前線基地には人がいたので、
 その人たちとは『出来事』を起こすことができました。例え例外なく相手が死んだとしても
 私は一人で何かを行うようには造られていません
 基本的に、人とともにあるように造られました
 従って、人が少なくなれば、その分だけ活動が限られてしまうということです
 何ができるかを自分で計算し、出力しなければならない
 今の状況は、決して容易いとは言えません
 
 何度か戦闘を終え、基地を二つほど破壊しました
 ある程度引き返して、天然の塹壕のような場所に身を潜めます
 ここは日記が書きやすいので、しばらくはこの場所を拠点に動くことになるでしょう
 警戒レベルを最大にし、一時休止モードへ移行します
 
 五分と経たずにセンサーに引っかかるものがありましたが、危険性はありません
 視覚情報から判断すると、黒猫でした
 どうやってこの場所を嗅ぎつけたのか、彼は一鳴きすると、私の足に身を躍らせます
 私自身は破壊されると広範囲に渡って周囲を破壊しますし、
 そうでなくとも戦場という地域内なので、決して安全ではありません
 しかしいつかと同じように、どうやっても黒猫は避難しませんでした
 
 今日からは警戒レベルを最大に、一時休止モードにすることになります 
 では、黒猫を膝に抱いたまま、本日の活動を終了いたします


BACK NEXT TOP


Copyright(c) 2010 YOSHITOMO UYAMA all rights reserved.