9月8日

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 本日は筆を取らないつもりでした
 私にとって今日起こったことは、
 私という記録装置にのみ留めておくべきことだと判断したからです
 しかし彼はそれを望まないと判断し、私は本日の出来事をここに記します
 
 バイトさんが死にました
 私の目の前で、頭部を銃弾に撃ち抜かれたのが直接の死因でしょう
 彼を抱きとめると、即座に比較的安全な場所へ身を隠します
 彼は飄々としていて、どんな時にでも落ち着いているイメージだったのですが、
 死ぬときは、声を大にして泣き叫んでいました
 その言葉は私に向けられたものでなく、おそらく、ただの慟哭だったのでしょう
 まだ生きていたい、死にたくない、痛い、苦しい、怖い、畜生、畜生……
 私は全ての言葉を聞き届け、バイトさんがしていたように、彼を撃ち殺しました
 あの墓標の下にいる人たちは、皆、こんな感情に埋もれて死んでいったのでしょうか
 
 私はこれから、上官、そして助手さんに今日の戦闘を報告し、
 いつもの黙祷を行うことにします
 
 私の世界にまた一つ空白が増えました
 そのことを記録にとどめ、本日の行動を終了いたします


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