あの黒猫が現われてからというもの、
毎日が賑やかで、そして明るくなっていると判断されます
まず、昼間、菜園で水をやっていると、どこからか隊員さんの一人がやってきます
彼は今日も天気がいいね、と言って私の隣にやってくると、水撒きを手伝ってくれました
しばらくすると彼は私の肩に手を回してきました
私を害するような動きではなかったので、そのままにしておくと、
屋根から降りてきた猫が彼の腕を引っ掻きました
私は彼の腕が少し暴れるのをいなして、飛びあがる黒猫を抱えます
そして隊員さんに大丈夫かと尋ねると、
彼はややぎこちない笑みを浮かべて大丈夫だと言いました
猫は何故か彼を威嚇しており、彼は逃げるように基地へと戻りました
次に雑草を引き抜いていると、別の隊員さんがやってきました
彼もまた作業を手伝ってくれたので、消費時間の短縮ができました
野菜は大きくなってきており、二度目の間引きを行う必要があるかもしれません
畝がきれいになると、隊員さんは私の近くに歩み寄り、
ちょっと食堂で休憩しないか、と提案してくれました
しかし私は機械なので疲労することがありません、と断りを入れようとすると、
菜園の隅で眠っていた黒猫が、流れるような動作で彼の足を引っ掻きました
そして、その隊員さんは手当てのために基地へと戻っていきました
今度は助手さんがやってきて、けれど私が虫取りをしているのを見ると、
隣で見ているだけにするわ、と言いました
どうも彼女は虫が苦手のようです
黒猫はその間、私の傍で虫取りを手伝ってくれているようでした
作業を終え、この後の予定を検索していると、バイトさんがやってきました
すると黒猫は、彼の姿を認めるなり、一目散に飛びかかりました
これはさすがの私も予期しなかったことであり、バイトさんは一進一退の攻防を繰り広げます
しかし、彼は本気を出していないようでした。猫相手であれば、一撃でしょうに
一体彼らは何の意図があってあのようなことをしているのでしょう
結局バイトさんは猫に負けて引き返していきました
夜になり、バイトさんに昼間の要件について尋ねましたが、特に用事はなかったようです
よく分からないまま、データを登録して、本日の行動を終了いたします
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