今日は戦闘がありました
戦況自体は悪くないと判断できるのですが、相手は私に的を絞りつつあるようです
戦術的にはそれが効果的だと考えたのでしょう
正しい判断ですが、私の相手をするには、力量が不足していると言えます
現状では、周りの負担は減り、私は早く進化できるので、総合的に良いと判断されます
しかし一歩間違えば撃墜されてしまうという事実には、気をつける必要があるでしょう
元に、今日私はいつもより間接パーツが摩耗し、各部品も消耗していました
最適化をし直さなければなりません
珍しく死人がいないので、事後処理に時間を割かれることもなく、
私は整備室へ送り出されました
隊員さんたちはいつもより傷の多い私の身体を見て、
今すぐ行け、と半ば強制的に追い出される形だったので、
事後処理があっても同じだったでしょうが
修理が始まってから、私はずっと最適化処理をしていました
相手をする人数、質ともにデータが変わっており、かなりの修正が必要になるので、
時間があるうちに行っておいた方がいいと判断したためです
外界への処理率を半分以下に下げ、演算していると、雑音があることを察知しました
ノイズを分析すると、それは助手さんの声であることが分かります
どういうことか、と最適化処理をバックグラウンドに設定すると、
心配そうに、柳眉を下げて私を覗き込んでいる助手さんと目が合いました
彼女は私が反応したことに気づくと、
よかった、
そう言って私を抱きしめました
私は機械相手に過剰な反応だと判断しましたが、
今の彼女にかける言葉ではないと、されるがままにとどめました
助手さんを始め、隊員さんたちも、
私がまるで人間であるかのように振舞います
これもまた理解のできないことだ、と疑問を登録するエリアに書きこんで、
本日の行動を終了いたします
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