朝から庭仕事をするということを、博士は予期したでしょうか
普段洗濯物を干している裏庭にスコップを立てて、堀り返します
さほど難しい作業ではないのですが、一人でする分には時間がかかりそうです
昼食の時間までには地面を掘り起こせるだろうかと並列計算していると、
一人の隊員の方と、窓越しに目が合いました
彼は何事もなかったかのように去っていきます
何を見ていたのでしょうか
ほどなくして土も耕すことができ、置いてあるブロックで敷居を作る段階になりました
これも楽な作業なのですが、手間は更にかかるでしょう
そう判断して作業をしていると、何故か一メートルほどの距離で隊員の方と目が合いました
何故か、彼の手には円柱状のブロック
私はそれを、堀り返した地面の周囲に立てていき、更に土で中を埋めるのですが、
あくまで私の仕事のはずです
疑問に思い尋ねてみると、
いや、大変そうだから手伝おうと、
と実に腰を引いた形で応えられました。本当に戦争に参加するような男なのかと思うほどに
不都合はないので、しばらく一緒に作業をしていると、
気づけば多くの隊員の方が私を手伝ってくれていました
従って作業は予定よりずいぶん早く終了したので、私は彼らにお礼を言います
すると彼らは、何故か私に謝りました
次に飛び出してくる言葉は、私を嫌っていたわけではないというものでした
機械だということ、美人だということが気になって近寄れなかった、というのが理由だそうです
人はそういうものに距離感を感じるものなのでしょうか
それよりも、人間とは、似せて作られたものにさえ、そういった美的感情を抱くことができるという事実が、
私には大きな情報となりました
人というのはまだ未知数の部分がたくさんあります
その後、私たちはレタス、子カブ、セロリの三つを定植しました
全てが実れば、サラダでも作りましょう
上記のことにより、私はここでも学習行動を行えるようになりました
これは大きな前進だと判断し、本日の行動を終了いたします
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