8月14日

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 昨日、バイトさんに墓のことについて尋ねると、
 彼は触れてほしくはないことのように、忙しいからと去って行きました
 しかし彼は今日もまた、多忙のようです
 ここは彼の元々の仕事場ということで、すべきことが多いのでしょう
 晴れた空の下、銃の墓は今日もひっそりと、基地に寄り添っています
 
 洗濯物をしていると、助手さんが整備の時間だと私を引っ張って行きました
 右腕のマニピュレータ周りの調整を行っているときに、私はためしに尋ねてみることにします
 何故人は、死んだもの、いなくなったモノに対して、墓を建て、想いを馳せるのでしょうか
 助手さんはパソコンから手を放し、近くにあったドライバを掴んで、指先で器用に回します
 それから私の腕の外部装甲 -と言っても人で言う肌なのですが- を取り付けていきました
 ちなみにドライバは使いません
 彼女はしばらく無言でドライバを回していると、
 墓とか黙祷、墓参りっていうのはね、残された奴らが自分を納得させるためにするもんなのよ、
 と教えてくれました
 人は思い入れなんてものを持ってしまうから、失ったときに悲しみなんてものを感じてしまう、
 少なくとも、あたしはそうだけどね、と助手さんは笑いました
 その笑顔は、この前の笑顔とは少し違うように思えました
 
 メンテナンスが終わり、私は彼女に問います
 ならば、墓というのは有機物にのみ行われる行為なのかと
 すると彼女は私を抱きしめ、
 あなたが死んだら、私が墓だって何だって作ることになるわよ、きっと、
 と言いました
 彼女は、私が破壊されることに納得を必要とするようです
 
 今日は墓というものについて学びました
 この情報を整理して、本日の行動を終了いたします


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