本日の戦闘行動は楽なものではありませんでした
相手は兵員2倍、戦車と自走砲1.3倍、航空機1.5倍を投入してきており、
勇んで特攻した隊は全滅したようです
同じ人間であれば、同様に学習能力もあるということでしょう
しかし私のような個体は存在しないことから、
技術力という面についてはこちらにアドバンテージが存在するのでしょうか
詳しいところは不明ですが、現状はこちらが有利という判断でいいでしょう
戦闘は滞りなく終了し、いつもと同じく事後処理を任せ、
私とバイトさんは報告のため先んじて帰還しました
報告を済ませ、廊下を歩いていると、雨が降り出しました
今日は洗濯をしていなかったのは僥倖となったようです
量は増えますが、同じことを繰り返すよりは効率はいいでしょう
服も皆さん無駄に持たれているようなので、一週間程度は大丈夫です
代わりに一週間放置していると大変なことになるのですが
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、館内が妙に静かであることに気づきました
バイトさんも用事があるからと、報告後すぐに姿を消しています
熱源を感知すれば、洗濯物を干すのとは別の庭に、ほぼ全員分そろっていました
移動すれば、窓から、不思議な光景を見ることができました
多くの銃が、土の上に立っています
庭は民家が四つは入りそうなほどの広さがありますが、その全てが、銃で埋め尽くされていました
数は50程度ではきかないでしょう
その場にあって、全ての隊員は、雨の中、新しく銃を立てています
地面には何かを埋めていたようですが、今となっては確認できません
処理を終えると、全員が並び、敬礼しました
一分以上、微動だにせず、彼らは銃の森を眺めていました
あとでバイトさんに尋ねたところ、あれらは墓だということです
彼らは死人に想いを馳せ、敬礼をしたのでしょうか
何故、でしょう
そこには誰もいないというのに
雨はまだ降り続いています
その音を聴きながら、本日の行動を終了いたします
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