8月12日

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 戦闘がない日の生活が暇なものかと言えば、そうでもありません
 戦闘がある日には省略できているところでも、
 戦闘が無いのであればしなければならないこともあるからです

 朝、隊員の方々の朝食を作るのは毎日行っていることですが、
 溜まっている洗濯物を片づけてしまうのは、戦闘がない時しかできません
 洗濯は思いのほか時間を取りますし、洗濯機の大きさは一定なので、一度に決められた分量しか洗濯できません
 また、その後に裏庭などに洗濯物を干していくのも時間のかかる作業です

 それから昼食に取り掛かります
 食器を洗い終えると、整備をしてもらい、新規武装、既存の武装の使用方法を確認したり、
 実践で使用する際にラグをなくすため、試用したりします
 これらも毎日行っていることです
 しかしその後の、館内の掃除、洗濯物の取り込みといったことも、
 私の中では優先順位が低いので、スクランブルがあった日には取りやめになります
 それが終われば夕食を作り、片付けをして、自由時間となります
 この時間、私は日記をしたためていることが多いです
 
 今日一日あったことを話すと、助手さんは私のことを、まるでここの母親だと言いました
 私はロボットなので、この基地がいくら同じ無機物だといっても、生み出すことはできないし、していない、
 と答えました
 すると彼女は笑って、
 そりゃそうよ、あたしが言ったのは、比喩だから、
 と肩をすくめました
 それからここの連中はあなたを雑用に使いすぎだから一発しめとくわね、と言っていました
 しめる、の意味は分かりませんでした。絞めるでしょうか?
 
 久しぶりに、助手さんの笑顔を見ました
 そこから私が分析できることは、人とは、どんな時であろうと笑う事の出来る生き物だということです
 どれだけ参っていても、落ち込んでいても、楽しいと感じれば、人は笑うことができる
 これは、私や他の動物にはない、人に固有の特徴かもしれません

 それでは、本日の行動を終了いたします


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