仕事が増えました
何かと言えば、バイトさんに、うまいものをよこせ、と言われたためです
どうもここでの食事は隊員の方が持ち回りで作っているらしく、
男らしく豪快な味付け故に食えたもんじゃないそうです
つまり、食事を作ってくれ、ということです
助手さんは、こういうところの男連中はどうしてずぼらなのか、と呆れていました
ですが私の仕事を手伝ってくれるつもりはないようです
結局私一人で朝昼晩と食事を作りました
大人数に対応できるようにということと、また材料も多岐にわたるわけではないことから、
作る食事は制限されることになりました
研究所の食事のほうが豪華だと判断できる程度でしたから、
隊員の方々は無言で食事を平らげ、無言で食堂を出ていきました
私は食堂の隅で電力を供給していましたが、誰一人、目が合うことすらありませんでした
そしていつも最後にはバイトさんが私のところに歩いてきて、
あいつらなりに感謝はしてるんだ、久しぶりのまともな食事だからな、
と苦笑していました
おかしな話です
もしバイトさんの言っていることが真実だとすれば、
隊員の人は皆、嘘をついていることになる
そして隊員の人が真実だとすれば、
バイトさんは嘘をついていることになる
多数決、そして嘘というのは言葉で行うことであるという情報を基にすれば、
結論として、嘘をついているのはバイトさんだということになる
何故、彼はそんな嘘をついたのでしょうか
彼の行動は、私のデータに基づかない行動が多いため、情報源としては有意義であり、無意味です
よく解らない、と結論付けて、私は今日の行動を終了します
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